海外に支社を設立|日本に税金は収めるべき?
海外進出を検討している企業は、現地の法律や税務処理方法を知らなければ、思い掛けない税金を支払う可能性があります。
この記事では、海外に支社を設立した場合は日本に税金を納める必要があるのかという疑問について解説します。
海外進出した際の税金の仕組み
海外に拠点を置く場合には大きくわけて3つのタイプに分かれます。
- 駐在員事務所
- 海外支店
- 海外の子会社(現地法人)
それぞれ税金の仕組みが異なるので詳しくみていきましょう。
駐在員事務所
駐在員事務所は、現地の情報収集や市場動向を目的とした簡易的な事務所であり、収益を伴う営業活動は行えません。
また、一般的には法人課税の対象ではないので税金を納める必要はありません。
しかし、国によっては駐在員事務所でも海外支店と同じように扱われて、法人課税を課せられることがあるので注意してください。
海外支店(海外支社)
海外支店は、国内の支店と同様に本社の事業の一部を海外でも運営できます。
海外支店の場合は営業活動が行えるため、一般的には拠点を設けた国で発生した所得に対して課税されます。
また、日本に本社があるため、本社と海外支店の双方で発生した所得を合算したものに対して、日本に法人税を納める必要があります。
そのため、日本と海外支店の双方で税金が課せられる「二重課税」が発生します。
ただし、日本には「外国税額控除制度」があり、適用を受ければ本社および海外支店で得た所得を合算して日本の税率である35%になるように調整されます。
海外の子会社(現地法人)
海外の子会社(現地法人)は、日本の本社とは別人格の法人であり、税金は日本の本社と海外の子会社に対して拠点がある国から別々に課税されます。
海外支店のように日本の本社と合算して課税されることはなく、日本の本社は国内で得た所得に対してのみ日本に納税すれば良いです。
また、海外に子会社(現地法人)を設ける場合は、登記、労務、会計、税務処理など、海外進出する国の法律に準じて行われるため、その国の法律や税務に対する知識や情報を得て理解する必要があります。
まとめ
今回は、海外に支社を設立した場合に日本に税金を納める必要があるのかという疑問について解説しました。
海外に支社を設けた場合は日本に税金を納めなければならず、二重課税が発生するので注意が必要です。
海外進出する際には現地の法律や税務処理方法を理解する必要があり、困難な場合は海外進出のサポートをしている税理士に相談することをおすすめします。