ストラテジックパートナーズ合同会社(山下剛税理士事務所)
関税とは?

基礎知識Knowledge

2024.08.28

関税とは?

「関税」は物品を輸出入する際に課せられる税金であり、関税および関税率の種類や役割を知ることは貿易取引において重要です。
この記事では、関税の意味や役割、種類などについて解説します。

関税とは

関税とは、国境を越えて物品の取引を行う際に課せられる税金であり、物品を輸入する場合に課せられる「輸入関税」と輸出する場合に課せられる「輸出関税」の2種類に分けられます。
日本における関税とは「輸入品にかかる税金」として定義されており、輸入時にかかる税金は以下の3つです。

  • 関税
  • 消費税
  • 地方消費税

関税は法律で定められた関税率に基づいて算定されるため、輸入品によって税率が異なります。
また、輸出する際には物品に対する消費税(国税7.8%)と地方消費税(2.2%)を足した10%が免除されます。
しかし、諸外国では輸出関税制度を用いている国もあるので、海外支店などから他国に輸出する際には注意が必要です。

関税の役割と種類

関税の主な役割は、国内産業の保護と市場経済の混乱防止、国内における財政収入の確保です。
また、関税は「財政関税」と「保護関税」の2種類に大別されます。
財政関税とは、輸入品に対して税金を徴収することで国内財政の収入源になっています。
保護関税とは、輸入品に関税を課すことで国内製品価格との均衡を保ち、国内産業を保護する役割があります。

関税率の種類

関税率とは、関税を課せる際に用いる税率のことであり、輸入する物品によって「国定税率」と「協定税率」の2種類に分かれます。

国定税率

国定税率は以下に記した2つの法律によって定められた税率です。

  • 関税定率法
  • 関税暫定措置法

関税定率法は、基本的な税率が定められており、事情に変更のない限り長期的に適用されます。
関税暫定措置法は、基本的な税率を定められない事情がある場合に限り、一定期間において基本税率に代わって適用する暫定的な税率が定められています。

協定税率(WTO譲許税率)

協定税率とは、WTO(世界貿易機関)協定において、WTO加盟国・地域に対して一定率以上の関税を課さないことを約束(譲許)している税率のことです。
協定税率の税率が国定税率よりも低い場合に、WTO加盟国・地域からの輸入品に対して適用されます。
また、WTO非加盟国でも「通商航海条約等の二国間条約で最恵国待遇を約束している国」に対しては適用できます。

まとめ

今回は、関税について解説しました。
日本における関税とは、輸入に対してのみ適用され、財政収入や国内生産の衰退を回避する目的で用いています。
海外に支店を設けている場合は、その国では輸出に関しても関税が課せられかもしれないので注意が必要です。
そのため、海外進出を検討している方は、海外進出をサポートしてもらえる税理士に相談することをおすすめします。

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